エルベ川の対岸は，ノイシュタット（旧市街）と呼ばれる地区．アウグストゥス橋を渡ると，ノイシュタットマルクトに出る．この広場には，アウグスト強王が馬にまたがっている像（写真）がある．写真ではわかりづらいが，10ｍ近くある大きな像だ（手前に写っているのは幼児．．見えますか〜？）．第二次世界大戦の戦禍を受けながら，崩れ落ちた瓦礫の中から発見されたのだという．この街の至るところに，彼の軌跡を見ることができる．

この日はメイデーで，初夏のような陽気に誘われ，広場には家族連れやカップルがたくさん繰り出していた．ところで日本のゴールデンウィークにヨーロッパへ行くと，５月1日は博物館やデパートなど休みのところが多く，その過ごし方に頭を悩ませることが多い．幸いこの日は，ノイシュタット地区にあるザクセン民芸博物館が開いていたので，そこへ行くことにした．

ヨーロッパの博物館で有名な画家の描いた名画や，王室の宝物を見るのもいいが，私が特に好きなのはこの民芸博物館のようなところ．昔のヨーロッパのふつうの人々の暮らしがわかる博物館だ．

きらびやかな展示物はないが，素朴な人形やおもちゃ，ドールハウス，家具などが展示されていた．生活に密着しているものが興味深い．２階の展示スペースには電動のドールハウスがあり，係員がスイッチを押して見せてくれた．他に見学者がいないので，貸切状態である．

確かリエージュ（ベルギー）でも似たような博物館へ行ったが，その時も見学者は私たちだけだった．この手の博物館の係員は年配の女性が多く，あまり忙しくないとみえておしゃべりに忙しい（笑）．館内はもちろん撮影禁止だが，係員の目を盗んでパチリ（ごめんなさ〜い）．

ドレスデンの春は，日本より１ヶ月くらい遅い気がした．博物館の隣りの敷地では，八重桜が満開であった．この時期のドイツは，花々がとても美しいのも嬉しい．

ドレスデンは華やかな観光地ではないので，行ったことがあるという人はそれほど多くないかもしれない．でも旧東独の雰囲気が残っており文化・芸術的な見どころもたくさんあるので，特にドイツのリピーターの皆さんにはおすすめ！